成長は環境次第?

思考

過酷な環境ほど人は成長する?

それに関しての答えは大抵『Yes』でしょう。
ずっとぬるま湯の様な環境にいるよりは成長するのは確か。

「毎日終電ギリギリで残業するブラック企業」と「毎日アフター5で帰れる企業」、
新卒で入社して3年目にどちらが逞しくなるのは前者でしょう。
(企業の仕事のやり方や方針等を含めれば、違う結果になる事もある)
少なくとも忍耐力は身に付くでしょうね…。

人にはそれぞれ限度がある

とはいえいくら「過酷な環境が人を成長させる」なんて言っても、
人には限界があります。
先程例にした「毎日終電ギリギリで残業しているブラック企業」なんかに勤めたら、
身体も精神もボロボロになるでしょうし…。
そもそも3年どころか1年経たない内に辞めてしまっても無理はないです(-_-;)

仮に3年以上勤めて忍耐力や交渉力などビジネスマンとしての能力を大幅に向上させたとしても、
何かしら犠牲にする部分が生じるのは避けられません。
それは時間と自由なのは言うまでもなく、人としての心(思いやりや情け)が犠牲になる場合だってあるでしょう。
「ビジネスマンとしては優秀、しかし人としては冷酷…」
そうなってしまう人が出てきても不思議ではありませんね。

映画『フルメタル・ジャケット』を観て

話は変わりますが、何年か前に映画『フルメタル・ジャケット』を観ました。
ベトナム戦争を題材にした戦争映画であり、多くの映画ファンを虜にした故スタンリー・キューブリック氏が監督を務めています。
ストーリーの大まかな流れとしては、
【素人であった若者たちがアメリカ海兵隊に志願して、過酷な訓練を経て兵士となる。
そして戦争の渦中であるベトナムにて任務を遂行する。】

といったところです。

前半は過酷な訓練、後半はベトナムでの戦争。
私的に強く印象に残っているのは訓練時のシーンです。
若者たちを指導するのはハートマン軍曹という「新人に過酷な訓練を課す」ことで定評のあるお方。
その方は訓練の過酷さは勿論のこと、地上波では絶対NGな罵詈雑言を若者たちに浴びせ続けるのが最も大きな特徴。

その鬼軍曹に目を付けられてしまったのは、レナードという太めの体形が特徴的な若者。
”微笑みデブ”という不名誉なあだ名まで付けられてしまいます。
志願してきた者たちの中でも落ちこぼれであり、訓練中はおろか宿舎生活においてもポカをやらかします。
そのせいか周りの同期の訓練生たちも連帯責任を負わされる事態が発生し、その訓練生たちから執拗なリンチを受けてしまいます。
そんな過酷な環境の中でも逃げることは叶わずに訓練を続ける内に、レナードは徐々に成長していきます。
後に開花させた射撃の才能は鬼軍曹ハートマンですら目を見張るものがありました。

しかしその代償としてか精神を徐々に病むようになり、しまいには銃に話しかける様になる始末。
挙句鬼軍曹ハートマンを射殺してしまい、レナード自身も自らの銃で命を絶ってしまいます。

この一連の流れを観て思ったのは
過酷な環境は確かに人を強くする。しかし度が過ぎると心と身体を壊してしまう。
という事です。
レナードの心境に関しては人によって考察が分かれるでしょうが、
「過酷すぎる環境によって精神に異常をきたした」という点は確かでしょう。

ハートマン軍曹の罵詈雑言、ハードすぎる訓練、規則だらけの生活、そして同期の訓練生たちによるイジメ…
これだけ要素が揃えば、心が壊れても無理はありません😅

今の世の中、そして未来は…


2022年11月現在、日本は一昨年2月から続く例のパンデミック騒動によって相も変わらず振り回されっぱなしですね…。
今年はその騒動に加えてロシアVSウクライナ問題、そして円安による物価の大幅値上げ。
もはやパンデミック騒動以上の脅威に我々日本国民は翻弄されっぱなしです。
その上、今の政府は来年以降に更なる増税と課税枠の設置を目論んでいるとか…。
本当に勘弁して頂きたいものです😅

日本もとい世界は今後更なる「過酷さ」に晒されようとしている状況です。
「そんな乱世と化した時代を生き抜いていけば、未来の日本はきっと逞しい国になる…」
そういう意見もあるでしょう。

しかし我慢や制限ばかりがこれ以上続けば…
精神面や知性などにおいて成長はしても、心が荒む可能性も大です。
「苦労した分だけ”人の痛み”が分かり、思いやりのある人間になれる」
その可能性もあるでしょう。
とはいえ我慢と制限ばかりが続き社会に根付いてしまうと…
小説『1984年』の様な息苦しいディストピアが現実化しそうで不安になります。

厳しい環境の中でも、息抜き出来る場面もある…
リフレッシュは日々を生き抜く上で必須ですからね。
ちょっと嫌な言い方をすれば「飴と鞭」(苦笑)

厳しさと人情、そして自由と権利…
それらがバランス良く共存した世の中になってほしいものです。

フルメタル・ジャケット [ マシュー・モディン ]

価格:1,100円
(2022/11/14 23:11時点)
感想(6件)

一九八四年新訳版 (ハヤカワepi文庫) [ ジョージ・オーウェル ]

価格:990円
(2022/11/14 23:12時点)
感想(32件)

コメント

タイトルとURLをコピーしました