【素顔】はもはや【裸】同然!?

思考
マスク外す?政府がOKでも「世代間ギャップ」と個人差でもう一波乱か
厚労省からマスク着用緩和のお達しが出て、市街でも「そろそろいいのでは」という空気が広まりつつある。しかし一方で、若者世代はマスクの継続着用を望む声が強いようだ。

コロナ禍も今年で3年目。
最近になって「そろそろマスクを外すか?」という話題が盛んになってますね。
政府も「屋外且つ人との距離が確保出来るのであれば外す事を推奨します」なんて見解を述べてますけど(苦笑)

とはいえ今のところは比較的空いている屋外においても着用率99%超えなのが現状。
(私が見る限りにおいて)
感染対策なのは勿論、他にも外さない(外せない)理由はありそうですね。

今更言われても…

日本国民の9割は「今更になって”外していい”なんて言われても…」と及び腰であるのが現状みたいですね。
その傾向は若い世代(特に中高生)において強いかと思われます。

「ワクチン接種は進めど、治療法(特効薬)はまだ未確立でしょ」
「マスクを外したまま外出すると顔がスース―する」
「今になって他人に素顔を見せるのが恥ずかしい」
当然、様々な言い分があります。

素顔を見せること

理由に関しては主に「感染対策」というのが過半数を占めてます。
それは言うまでもない事でしょう。

しかしネットニュース等を見ていると、他にも大きな理由があると考えられます。
それは「素顔を他人に見せる事に抵抗がある」
2年以上外出するにおいてはマスクの着用が当たり前になってしまった以上、
学校の同級生・会社の同僚など身近な他人の顔を未だに知らない事も珍しくありません。
当然、自分の素顔も他人には知られていない。
互いの素顔を知っているのは、家族・恋人、もしくは親友など深い関係にある人同士の間のみ。

仮にですが、来年の春あたりに「ウイルスのリスクが軽減」「治療薬の普及が確実」などの理由によって、外出時に素顔で過ごす事に問題ないと政府が公式に見解を述べたとします。
しかし「素顔を見せるのは恥ずかしい」という旨の感覚が人々の間で根付いてしまったら、マスクを外さない傾向は続く可能性がありそうですね。

【素顔=裸】!?

「今まで隠すのが当たり前になっていた部分を急にさらけ出すのは抵抗ある。」
その言い分は無理ないかもしれません。

今まではお互いの「目(目元)」の動き、手足の仕草、服装、相手の行動、前後の状況…
それらの情報を元にして、相手の気持ちを察しながらコミュニケーションを取っていた。
しかし目元だけでなく、鼻と口も晒け出す。
口元の表情は目の表情と同じ位に感情を表すともいいますし。
(そもそも人間の表情は口にする言葉以上に正直なもの)

今までマスク生活を続けていた故に、他人の目元の動きや仕草に対する観察力が向上している人もいるかと思います。
そこから更に進んで、今度は目だけでなく口元の表情も明らかとなる。
その状況下におけるコミュニケーションにおいては、「相手の表情に過敏になってしまった」という人も出てくるかもしれません。
「真っ暗闇の空間において、突然照明が灯された事により、光の眩しさに目が眩んでしまう」
例えるならそんなイメージでしょうか。

表情に過敏になり過ぎるが故、知りたくもなかった相手の本音を見透かしてしまう事になる。
そしてそれは相手にとっても同様で、絶対にバラしてはいけない自分の本音を結果的に晒す事となる。
互いに知りたくもない本音を知った事により、人間関係は破綻。
決別だけならまだしも、無用な争いを生む事態すら生じる。

…上記に関しては極論も含めてますが、【マスクを外す=本音を明かす】という事になる可能性もあるのでしょうか?
そう考えると人によってはパンデミックが終息したとしても、マスク着用を続けるのがベターになるのかもしれませんね。

掻き立てられる想像力

漫画『ニューノーマル』感想① - 覆い隠されたユートピア -
かのパンデミックから約20年後の未来。世界と人々はどう変わったのか?リアルの世界の変わり様と共に、先の展開を追ってみたくなる漫画。それが「ニューノーマル」です。

以前にも紹介している『ニューノーマル』は、マスクが義務された近未来(2040年代前半)を舞台にした恋愛要素アリの青春漫画。
見えないからこそ想像力を掻き立てられてしまう人間の性質を描いている点が注目されている作品です。

普段は見えない他人の鼻と口
それ故に期待を込めて想像してしまう。
そしてその想像は時にエロティシズムすら感じさせる。
かつての平安時代において、女性は姿を隠すのが習慣になってたとか。
隠されているからこそ余計に知りたくなってしまう。

逆に全てが明るみに出てしまっている状態だと、「もう既に知ってるからいーや」みたいな心境になる場合もあります。
「表からは決して見えない」、だからこそ気になって興味を惹かれてしまうのが人間の性質。
難解だけど傑作だと言われるミステリー小説も、その人間の性質が作品のヒットに作用しているといえますね。

「分からないからこそ、気になってしまい考える事を止められない」

「考える程に作品の謎は勿論、キャラクターとストーリーにも惹かれてしまう」

ファンである読者の心理の流れはこんな感じでしょうか。
「分からない・見えないからこそ、その部分の真相を知りたいと強く想う様になる」
「人の好奇心とは見えないモノに掻き立てられる」
その習性はいつの時代も変わらないのかもしれません。

とはいえ「見える」に越したことはない

表に見えないモノに対する想像力を向上させる事は確かに大事。
その想像力があってこそ、他人の”心”という目に見えないモノへの思いやりが成立する。

とはいえいつまでも「99%以上の人が顔の下半分を隠している」という状況がずっと続くのはキツイものがありますね…。
しかもその状況はいつまで続くかも分からない。

「元の生活様式には戻らない」
「マスク着用を日本の文化としよう」
お偉いさん方がそんな意見を述べる記事をネットニュースで見かけた事もある。
とはいえ自分としては上記の様な意見を見かけた途端、抵抗を感じてしまいます。

せっかく渋谷まで行って街を見物していても、道行く人の99%以上が鼻と口を隠している状態ってのは精神的に息苦しくなるモノを感じますし。
それが電車の中とかになると尚更です。

【原宿・表参道 1999(YouTube)】
https://youtu.be/ZUoIk0ZdknE

👆の動画は1999年の原宿、この当時はスマホも無くPHSの時代でしたね。

2017年 船橋
2019年 神楽坂

そして2017年の船橋、2019年の神楽坂。

懐古主義者と言われようとも、素顔で堂々と外出していた時代への思いは手放せません。
「元に戻る」ではなく「再び素顔を見せても良い時代に変えていこう」と考えていきたいものですね。

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